薬剤師の平均貯蓄はいくら?老後不安が消えない理由は「給与が安定しているだけ」だから
〜30歳・既婚・子2人・奨学金500万の薬剤師が感じた「安定職の落とし穴」〜
薬剤師は安定した職業だ、とよく言われます。
国家資格があり、求人はいつでもある。収入も一般的なサラリーマンより高い。そういうイメージが先行しているからか、「薬剤師なら老後も大丈夫でしょ」という空気が職場にも、周囲にも漂っています。
でも、私はそのイメージが少し怖い。
35歳、都内中小薬局勤務、既婚、子ども有、奨学金500万円の返済中。年収は550万円台。ざっくりそういう立場で、老後の数字を真剣に計算したとき、「安定しているだけでは全然足りない」という現実に気づきました。
この記事は、同じように「薬剤師だから何となく大丈夫」と思っている人に向けて書いています。
まず薬剤師の「平均」を確認しておく
厚生労働省のjobtagによると、薬剤師の平均年収は566.8万円、平均年齢は40.1歳です。
たしかに一般的な会社員の平均(30代で400万円台)と比べれば高い。でも、566.8万円という数字を見て「余裕がある」と思えるかどうかは、その人の家族構成や住んでいる場所、奨学金の有無によって全く変わります。
私の場合、年収550万円でも、手取りに換算すれば月に受け取る額はそこまで多くない。そこから家賃、生活費、奨学金の返済、子どもの保育料が引かれると、「将来のために積み立てる余裕」は思ったより小さい。
「年収が高い」と「資産が増えやすい」は、イコールではない。 そのことを、給与明細を見るたびに実感しています。
日本人は「老後資金のために貯めている」という現実
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年6月〜7月に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、**金融資産を保有する目的の最多回答は「老後の生活資金」**でした。
- 単身世帯:55.2%
- 2人以上世帯:62.3%
半数以上の人が、老後を意識して貯蓄・投資をしています。しかも2人以上世帯では6割を超えている。みんなが老後を不安に思いながら、それでも備えようとしている。
老後不安は特別なことではなく、今の日本の「標準装備」になっているということです。
では、薬剤師はどうでしょうか。
「老後2,000万円では足りない」と気づいた
有名な「老後2,000万円問題」が話題になって以来、多くの人がその数字を頭に入れています。でも私が計算してみて感じたのは、2,000万円ですら足りないかもしれないということでした。
子どもを育てながら、教育費もかかる。
奨学金の返済も続く。都内で家族4人が生活するコストは、どんなに切り詰めても月30万円前後かかる。65歳から85歳まで20年間、そのコストを資産だけで賄おうとすれば、単純計算で7,200万円以上。
年金をある程度受け取れるとしても、不足分は大きい。
しかも、子どもたちへのサポートや自分たちの医療費、介護費用を加えると、さらに上ブレする可能性もある。
「薬剤師だから大丈夫」という安心感が、この計算の前では一瞬で崩れました。
薬剤師の給与が「頭打ちになりやすい」という現実
ここからは、数字ではなく現場の実感の話をします。
私が働く中で感じていること。それは、「忙しさは増えているのに、給与の伸びが追いついていない」 ということです。
在宅医療への対応、服薬指導の記録、加算対応のための業務。
やることは確実に増えています。管理薬剤師になれば責任も重くなる。でも、私の職場では管理薬剤師になったからといってベースアップ加算があるわけではない。(昇給はあります)
もちろん転職すれば年収を上げられるケースはあります。
でも転職で年収を100万上げたとしても、その分が永続的に保証されるわけではない。
薬局や病院の収益は調剤報酬の制度設計に左右されるため、会社が「上げたい」と思っても構造的に難しい部分がある。
これは誰かを責めているわけではなく、業界の構造として起きていることです。
薬剤師として誠実に働いても、給与だけに頼る設計には、天井がある。
その天井の存在に気づいているかどうかで、10年後・20年後の資産残高は大きく変わると思っています。
「周りは何もしていない」という違和感
もう一つ、正直に書きます。
職場の同僚と話していると、投資や老後資金の話をほとんど聞かないことに気づきます。
転職の話はする。
「次はどこどこに行こうか」「ドラッグストアに戻るか」「時給の高い派遣を試してみようか」そういう話はある。でも、「今の給与をどう運用するか」「老後に向けてどう準備するか」という話は、ほぼ出てこない。
資産形成の話をすると「でも投資はリスクがあるから」と言われることも多い。
悪気はないし、忙しい中でそこまで考える余裕がないのもわかる。
でも私は、「安定職だからこそ、何もしないことの方がリスクになる」 と感じています。
収入があっても、それを仕組みとして動かさなければ、老後の準備は進まない。
私が配当金という選択をした理由
投資にはいくつか種類があります。インデックス投資、不動産、FX、仮想通貨。
私が選んだのは、高配当株投資です。
理由はシンプルで、「配当金という形でお金が実際に振り込まれてくる」という感覚が好きだから。
インデックス投資は長期では強いけれど、含み益は画面の中の数字に過ぎない。でも配当金は、働いていなくても口座に入ってくる。
月1万円でも、2万円でも、給与とは別の「もう一本の収入の柱」ができると、気持ちの安定感が変わります。
今すぐ大きな額ではなくても、続ければ育っていく。
奨学金の返済がある中で、無理のない範囲で積み上げていくには、この「定期的に受け取れる」という仕組みが向いていると感じました。
まとめ:老後不安の正体は「給与の安定」への過信だった
薬剤師という職業は、確かに安定しています。
でも安定しているのは「今の給与が途切れにくいこと」であって、「老後の生活が保証されていること」ではない。
J-FLECの調査が示すように、多くの人が老後を不安に感じながら備えようとしている。薬剤師も例外ではありません。むしろ「安定職だから大丈夫」という思い込みが、行動を遅らせる原因になりやすい。
老後不安の正体は、年収が低いことではなく、給与以外の仕組みを持っていないことから来ている——そう気づいてから、私は動き始めました。
その第一歩が、高配当株投資であり、そのために証券口座を開くことでした。
どの証券会社を選ぶか、なぜ薬剤師に高配当株が向いているのかは、次の記事で詳しく書いています。
※本記事は投資の勧誘ではなく、情報提供目的です。投資判断は自己責任でお願いします。
