おかき

「今の職場に残るべき?転職すべき?」2026年度調剤報酬改定をきっかけに、薬剤師目線で薬局の将来性とキャリアの見直し方を整理しました。

はじめに

薬剤師として現場に立ちながら、この数年で「調剤報酬改定のたびに一喜一憂する」ことに正直疲れてきました。

特に2026年度の改定は、これまで以上に薬局間の差がはっきり出る内容になっています。

今の職場は大丈夫なのか、それとも今のうちに動いた方がいいのか——同じように感じている薬剤師の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、2026年7月時点で確認できる情報をもとに、「評価される薬局」「評価されにくい薬局」の違いと、あなた自身のキャリアをどう考えればいいかを、現役薬剤師の目線で整理していきます。

1. 2026年度調剤報酬改定で薬局に求められる方向性

2026年度(令和8年度)の調剤報酬改定は、これまで段階的に進められてきた「対物業務から対人業務へ」というシフトを一気に加速させる内容になっています。

2026年7月時点で確認できる情報では、大きなポイントは次の通りです。

後発医薬品調剤体制加算が廃止され、地域支援体制加算と統合される形で「地域支援・医薬品供給対応体制加算」が新設(後発医薬品85%以上が基礎要件に組み込まれた)

かかりつけ薬剤師の評価が「体制」から「実績」重視へ転換

医師と薬剤師が同時に在宅訪問した場合の評価が新設されるなど、在宅・多職種連携の評価が拡充

門前薬局など立地に依存する薬局への減算が新設される一方、賃上げのためのベースアップ評価料も設けられている

要するに、「処方箋を右から左に流すだけの薬局」から「地域医療に踏み込んで関わる薬局」への転換を、国が本気で後押ししている改定だと僕は捉えています。

この方向性は今後の改定でもおそらく続いていくはずなので、早めに理解しておいて損はありません。

2. これから評価されやすい薬局の特徴

私が思うに、国は以下の薬局を評価しようとするはずです

① 在宅対応に積極的

在宅患者訪問薬剤管理指導の評価が見直され、医師との同時訪問といった新しい評価項目も加わりました。在宅医療は地域包括ケアの中核であり、今後さらに重要度が増していく領域です。

② 地域連携がしっかりしている

医師・看護師・ケアマネジャーなどとの日常的な情報共有やカンファレンス参加は、地域医療への貢献度として評価される流れが強まっています。

③ 医薬品供給体制が整っている

新設された「地域支援・医薬品供給対応体制加算」は、後発医薬品の調剤割合だけでなく、医薬品の備蓄や他薬局への分譲といった供給不安への対応力も評価対象になります。

④ 後発医薬品対応がきちんとできている

後発医薬品85%以上という基準が、加算そのものの基礎要件に組み込まれました。この水準をクリアできているかどうかが、薬局全体の収益に直結する構造になっています。

⑤ 対人業務に力を入れている

服薬期間中のフォローアップ、残薬対応、服薬アドヒアランスの改善提案など、「調剤する人」から「患者に関わる人」への転換ができている薬局は、今回の改定でも評価が伸びやすい傾向にあります。

3. 逆に将来性が不安な薬局の特徴

逆に淘汰されていく薬局もあると思います。

そういった薬局にいては給料は上がらないので覚悟が必要ですね。

① 門前依存が強い

特定の医療機関からの処方箋に集中率が高い、いわゆる門前薬局は、立地依存への評価見直しの影響を受けやすい構造です。

② 人手不足を放置している

在宅対応や対人業務の充実には、ある程度の人員体制が欠かせません。慢性的な人手不足を放置している薬局は、新しい加算の要件を満たせない可能性があります。

③ 対物業務中心の運営

薬を渡すことがゴールになっている薬局は、今回の改定の方向性とは逆行してしまいます。

対物業務の評価が抑えられる一方、対人業務の評価が拡充される流れは今後も続くとみられます。

④ 教育体制が弱い

かかりつけ薬剤師の評価が実績重視になったことで、薬剤師個人のスキルアップを後押しする研修体制がない薬局は、組織として評価を積み上げにくくなります。

⑤ 在宅・地域連携に消極的

新しい加算や評価項目の多くが在宅・地域連携を前提にしているため、そこに踏み出せていない薬局は、今後じわじわと収益面で差をつけられていく可能性があります。

ここまでの内容を一覧で整理すると、次のようになります。

評価軸評価されやすい薬局評価されにくい薬局
立地・処方箋面分業・複数医療機関からの処方箋門前薬局・集中率が高い
在宅医療積極的に対応・実績があるほぼ対応していない
対人業務フォローアップ・服薬指導に注力調剤中心で関わりが薄い
後発医薬品85%以上を安定してクリア基準に届いていない
教育体制研修・スキルアップ支援がある個人任せで体制がない

4. 薬剤師個人が身につけるべきスキル

薬局としての評価が変わるということは、そこで働く薬剤師個人に求められるスキルも変わるということです。僕が特に重要だと感じているのは次の5つです。

在宅業務の経験:個人在宅の経験がある薬剤師は、今後さらに評価されやすくなると考えられます

服薬フォロー力:処方後の経過を追いかけ、患者に働きかける力

疑義照会力:処方内容を臨床的に判断し、必要な提案ができる力

多職種連携力:医師・看護師・ケアマネジャーと日常的に情報共有できる関係構築力

管理薬剤師としての経験:組織として加算要件を満たす体制づくりに関われる経験

これらのスキルは、今の職場でコツコツ積み上げることもできますし、すでにこうした業務に力を入れている薬局に転職して一気に経験を積むという選択肢もあります。

実際、「薬剤師の転職で『年収+100万』を実現する完全ガイド」でも触れていますが、在宅や地域連携に強い薬局は待遇面でも良い条件を出しているケースが少なくありません。

薬剤師の転職で「年収+100万」を実現する完全ガイド稼げる薬剤師になる為にはエージェントと転職サイトをうまく使わないと高年収をめざして入金力を高めましょう。...

5. 今の職場に残るべき人・転職を検討すべき人チェックリスト

自分がどちらに近いか、一度整理してみてください。

☐ 今の職場で在宅業務や対人業務に関わる機会がある

☐ 上司や薬局全体が改定の方向性を理解し、対応しようとしている

☐ 後発医薬品調剤率や地域支援体制加算などの要件をクリアできている

☐ 研修やスキルアップの機会が用意されている

☐ 給与や評価が、自分の頑張りに応じて上がる仕組みがある

上記のうち3つ以上当てはまらない場合、今の職場が今後も安定して評価され続けるかどうか、一度立ち止まって考えてみる価値はあると思います。

残るべき人転職を検討すべき人
在宅・対人業務の経験を積める環境がある門前依存・対物業務中心から抜け出せない
経営層が改定に前向きに対応している人手不足で在宅や研修どころではない
給与・評価制度に納得感がある頑張っても給与に反映されない

大事なのは「今すぐ辞めるべきかどうか」ではなく、「自分の市場価値が今どのくらいあるのか」を客観的に知ることです。それだけでも、今の職場に残る決断をする材料になります。

6. 年収アップ分をNISA・高配当株投資に回すという選択

もし転職によって年収が上がった場合、その差額をすべて生活費に回すのではなく、一部をNISA・高配当株投資に回すという選択肢もぜひ考えてみてください。

僕自身、給与が上がった分の一部を投資に回すようにしてから、資産形成のスピードが明確に変わりました。

たとえば年収が50万円アップした場合、その半分の25万円をNISA成長投資枠で高配当株に回すだけでも、配当利回り4〜5%を想定すれば、年間1万円前後の配当金が新たに生まれる計算になります。

これを何年も積み重ねていくことが、「薬剤師がFIREするまでのロードマップ」で紹介しているような資産形成の土台になっていきます。松井証券のように少額取引と相性のいい証券会社を使えば、手数料を抑えながらコツコツ続けやすくなります(詳しくは「薬剤師こそ松井証券で高配当株投資を始めるべき理由」もあわせてご覧ください)。

薬剤師こそ松井証券で高配当株投資を始めるべき理由 〜年500万円の給与から月5万円の配当金を得るまでのロードマップ〜 高配当株投資は『富裕層向けの...

まとめ:まずは「比較」から始めてみよう

2026年度調剤報酬改定は、薬局間の差がこれまで以上にはっきり出る改定です。

ただ、だからといって「今すぐ転職すべき」というわけではありません。

大切なのは、今の職場の立ち位置を理解した上で、自分自身の市場価値を客観的に把握しておくことだと思います。

転職サイトに登録したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。

まずは自分の経験やスキルが今どのくらい評価されるのか、比較してみるだけでも十分価値があります。

気になった方は「薬剤師の転職で『年収+100万』を実現する完全ガイド」もあわせて参考にしてみてください。

Q1. 2026年度調剤報酬改定はいつから施行されていますか?

2026年7月時点で確認できる情報では、令和8年度調剤報酬改定は2026年6月1日から施行されています。詳細は厚生労働省保険局医療課の資料でご確認ください。

Q2. 転職サイトに登録すると必ず転職しないといけないの?

いいえ。登録や面談はあくまで情報収集・市場価値確認のための手段です。実際に転職するかどうかは、比較検討した上でご自身で判断して問題ありません。

Q3. NISAで高配当株投資を始めるにはまとまった資金が必要ですか?

少額から始めることも可能です。まずは無理のない範囲で積み立てを始め、年収アップ分を少しずつ投資に回していく方法もおすすめです。

※本記事の制度情報は2026年7月時点で確認できる内容に基づいています。今後の告示・通知等により変更される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省等の公式情報でご確認ください。また、投資に関する判断は必ずご自身の責任で行ってください

ABOUT ME
アバター
おかき
都内の中小薬局で働いてる薬剤師。106回薬剤師国家試験に合格。奨学金700万の返済のために『薬剤師として稼いでいく』ブログを開設。ドラックストアでアルバイト経験から中小薬局に就職し、薬剤師×投資家としてFIREを目指してます。